外的/内的適応を促すパーソナリティ傾向の要素として「知恵」を考えたとき、どのような「知恵」が治療的に働くのか?…… 今回は、このような問いに答えようとした「システマティック・レビュー(複数の研究を系統的に分析・統合した研究)」をご紹介します。
「知恵」の社会的、感情的、スピリチュアルな側面を促す介入に関するランダム化臨床試験の結果
7,096人の資料を含む57の研究が調査の対象となりました。
①「社会貢献」関するものが29、②「感情制御」に関するものが13、③「崇高さ(スピリチュアリティ)」に関するものが15でした。
全体の研究のうち27(47%)において明らかな差をもって先述のような①~③の傾向を促すことによる治療効果を認めていました。
これらの「知恵」を促す介入は高齢において効果が大きく、特に③「崇高さ(スピリチュアリティ)」に関しては介入による差が明らかになっていました。
これらの「知恵」に関する内容は、個人の生き方や価値観とも関連し、治療の要素として伝えにくい面もあります。
しかし、心理的な課題として、こういった「知恵」の要素が存在することを常に認識しておきたいと考えました。
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