
いじめ体験と、フラッシュバック等のPTSD様症状、不安やうつ症状との関連はよく指摘されます。
今回は、かなり以前の論文(2009年)ですが、一連のいじめと精神病症状との関連を探ったものでは根っこにあたる研究をご紹介します。
子ども時代のいじめと、12歳時の精神病症状の関連
イギリスにおける研究で、12歳の時の精神病症状(幻覚・妄想・思考障害)についておよそ6500人の調査を行い、8~10歳のいじめ被害にあった体験との関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①小さい頃(8~10歳)でいじめの被害にあった場合には、12歳の時に約2倍精神病症状が出現しやすい。
②さらにいじめが重度で慢性的であった場合には、その割合は4.6倍にまで上昇する。
つまり、いじめの被害にあった場合には、その程度に応じて後の幻覚などの精神病症状が増える、と言えそうです。
精神病症状の原因として、遺伝などの生物学的な原因も重要であることはしばしば指摘されますが、このような子ども時代のつらい体験が影響する部分も大きいようです。
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