うつ病(状態)に関するTMS(経頭蓋磁気刺激療法)の効果については、多くの研究で有効性の証拠が集積されています。
今回は、かなり以前の論文(2014年)になりますが、急性の希死念慮(自殺願望)について、集中的に行うTMSが有効かを確認した研究をご紹介します。
A Two-site Pilot Randomized 3 Day Trial of High Dose Left Prefrontal Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation (rTMS) for Suicidal Inpatients
3日間のランダム化試験で調べた高用量左側DLPFCに対するTMSの有効性と安全性
自殺に関する危機的な病状のために入院した41人の成人が対象となりました。
3日間で9回の刺激(各回は6,000パルス)という集中的なrTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)を行うグループと、偽刺激を行うグループに分けて、短期・長期の結果を比較しました。
結果として、以下のことが分かりました。
・両方のグループで、3日後には大きな希死念慮の低下をみとめました(今回用いたベックの希死念慮に関する尺度で、偽刺激で15.3点減少、TMSで15.4点減少)。
・点数の下がり方の分析で、TMSの方が急速に希死念慮が低下していました(1日で比較すると、偽刺激で5.9点減少、TMSで13点減少)。
・最後まで治療を完遂できたグループに限定すると、自覚的な希死念慮の低下がTMSのグループで大きくなっていました(偽刺激で24.9点減少、TMSで43.8点減少)。
要約:『集中的なTMS(経頭蓋磁気刺激療法)で、希死念慮が早期に低下する可能性がある』
早期に希死念慮を軽減できる点では、TMSが有用であると考えられる結果でした。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
rTMS治療:
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