うつ病では、循環器疾患が増加すると言われていますが、その背景となり得る脂質異常についてははっきりとしたことが分かっていません。
今回は、うつ病と脂質代謝の関連を調べた分析(メタ・アナリシス)をご紹介します。
A systematic review and meta-analysis of lipid metabolomic signatures of Major Depressive Disorder
脂質代謝の指標とうつ病との関連
うつ病と脂質代謝の関連を含んだ29本の研究(調査実施は2019年)を分析の対象としました。
中性脂肪、総コレステロール、VLDL等の指標をうつ病とそうでない場合で比較しました。
結果として、うつ病の場合はそうでない場合を比較して、以下の内容が示されました。
・中性脂肪が高く(差異の目安として標準化平均差SMD=0.55、以下同様)、総コレステロール(-0.46)とVLDL(-0.46)は低くなっていました。
・40歳以上ではHDLが低く(-0.38)、アジアでは総コレステロールが低く(-0.74)なっていました。
要約:『うつ病の脂質代謝に与える影響は各指標や年代など集団の性質によって異なる』
全体としては一貫した傾向が把握しづらい内容ですが、うつ病が脂質代謝に何らかの影響を与えている可能性が考えられました。
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