要約:『うつ病の発症は、その後の循環器疾患のリスクを増加させ、特に女性で大きくなる可能性がある』
以前から、うつ病が心筋梗塞や心不全等の循環器疾患のリスクとなることが指摘されてきました。
今回は、日本の大規模なデータでうつ病と循環器疾患との関連、性別による影響の違いを調べた研究をご紹介します。
Sex Differences in the Association Between Depression and Incident Cardiovascular Disease
うつ病と循環器疾患発症との関連についての性別による違い
日本における研究で、複数の健康保険組合のレセプトデータ(the JMDC Claims Database)を元としています。
2005~2022年の4,125,720人(18~75歳)のレセプトデータが分析の対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・うつ病があるとその後の循環器疾患(心筋梗塞、狭心症、卒中、心不全、各種不整脈を含む)の発症が多くなっていました。
・リスクを男女別にハザード比(イベントの起こりやすさを試験期間全体の平均的な群間差として推定したもの)でみると女性で1.64倍、男性1.39倍となっていました。
男女間の差異が生じるしくみまではわかりませんが、生物学的要因や社会・家庭生活における環境的/心理背景が考えられました。
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