◎要約:『うつ病に対して有効な運動としてウォーキングとジョギング、ヨガ、筋力トレーニング、混合有酸素運動、太極拳または気功をあげることができ、特にウォーキングとジョギングで有効である証拠がある』
ウォーキングやジョギング等の様々な運動が、うつや不安に対して有効であることが示されてきました。
今回は、様々な運動について、うつ病に対する効果を調べた研究(ネットワーク・メタ・アナリシスと呼ばれる間接的比較を行う手法での分析)をご紹介します。
Effect of exercise for depression: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials
うつ病に対する運動の効果
ランダム化比較試験218本の研究(14,170人の参加者)が分析に含まれました(比較の対照は通常治療や偽薬)。
結果として、以下のことが示されました。
・ウォーキングとジョギング、ヨガ、筋力トレーニング、混合有酸素運動、太極拳または気功で明らかな効果(通常診療や偽薬との差異)を認めていました。
・最も効果が大きくなっていたのはウォーキングとジョギングでした(グループ間の差異を示す統計値Hedges’ gでみると −0.62)。
・運動によって得られる効果は運動の強度が大きいほど大きくなっていました。
・筋力トレーニングとヨガが最も受け入れの良い(続けやすい)方法でした。
病状による可否、各人の好み、心理的傾向との相性があるのと思われるので、専門家と相談しながら方法の選択・強度調節を行う必要性を感じました。
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