◎要約:『がんの診断後、手術を受けられなかった場合には自死のリスクが高い傾向があり、推奨されている手術を受けなかった場合にはさらにリスクが高くなる傾向があるかもしれない』
今回は、がん患者における治療内容(手術を受けられたか等)によって、自死のリスクにどのような影響があるのかを調べた研究をご紹介します。
がん患者における手術と自死
Surgery and Suicide Deaths Among Patients With Cancer
アメリカにおける研究で、がんの診断がある5,164,987人(診断時の平均年齢62歳、48.8%が女性)が対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・外科的手術を受けなかった人では、自死のリスクが高い傾向がありました。
・特に手術を受けなかった(受けられなかった)人たちの中でも、手術を勧められているにも関わらず、受けなかった場合に自死のリスクが高くなっていました。
・例として、膵臓がんの診断を受けた場合全体の自死のリスクは一般人口の331%、手術を受けた場合は177%、手術なしでは598%、手術が推奨されるのに受けなかった場合は1011%となっていました。
論文中では、手術を受けられなかったということが希望の喪失につながるのではないかという指摘がありました。推奨されている手術を断っている場合には、さらに注意が必要であると思われました。
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