“ため込み症”における脳の機能障害


ゴミ屋敷や動物の多頭飼育崩壊等の現象として知られている“ため込み症(ホーディング障害)”ですが、まだ客観的なの裏付けが少なく、障害が理解されにくい背景となっています。


歴史的に有名な例として、住居を有刺鉄線や罠で防御し、死ぬまでに120トンのゴミをため込んだコリヤー兄弟の例が知られています。


今回は、ホーディング障害について課題を行ったときの機能画像から、障害の特徴を調べようとした研究をご紹介します。


Neural Mechanisms of Decision Making in Hoarding Disorder

ホーディング障害における意思決定時の神経機能


ホーディング障害43人、強迫性障害31人、比較対照として健常者33人が研究の対象となりました。


カードをとっておくべきか、捨てるべきかの 意思決定を行う課題で、リアルタイムの脳画像上の機能的変化を調べました。


結果として、以下のことが示されました。

①ホーディング障害においては、カードを捨てる意思決定を行うときの、前帯状皮質や島と呼ばれる領域での活動性が、他の2つグループに比較して明らかに低下していました。

②逆に、カードをとっておく意思決定を行うときには活動性が高くなっていました。

③これらの差異は、ため込み症状の程度と相関していました。


つまり、“ホーディング障害の機能的異常は、カードを捨てる課題を行っているときの画像所見として確認でき、単なる強迫性障害とも異なっている”と言えるかもしれません。


ホーディング障害は、「いらないと分かっていても捨てられない」という点で強迫的であり、強迫性障害類似の病態と考えられていますが、特異的な脳の機能異常がある可能性が考えられました。

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