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“ため込み症”の特徴について




通常価値がない(少ない)と思われるものを捨てることができずに溜め込んでしまい、日常生活に支障が及ぶ状態になった場合に、“ため込み症( Hoarding disorder)”と呼ばれることがあります。


今回は、かなり以前の論文(2018年)ですが、ため込み症の有病率や特徴について調べた研究をご紹介します。


Epidemiology of hoarding disorder

ため込み症の疫学


イギリスにおける研究: South East London Community Health (SELCoH) studyで、最初の段階では1,698人を対象としています。


最初の段階でため込み症に該当しそうな人(99人)を、さらに診断面接し、最終的な診断をおこなっています。


結果として、以下の内容が示されました。


・最終的には19人の人がため込み症の診断基準(DSM-5)を満たし、有病率は1.5%と推定されました。


・未婚(67%)、身体疾患由来の障害(52.6%)、合併する精神疾患(58%)、この障害に起因する手当の受給(47.4%)が多くなっていました。


要約:『ため込み症の有病率は100人に1~2人程度で、身体や精神の合併症も多く、社会的機能や対人関係にも影響がある』


ため込み症がある場合、本人というよりは同居の家族等、周囲の人が問題と感じて相談に来られる場合も多いのですが、合併する疾患(症状)をきっかけにした治療の導入を検討する必要も感じました。

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