アメリカでは最近特に若い年代、女性での自殺者の増加が指摘されてきました。
今回は、アメリカ全土の自記入式の調査で、自殺者にどのような傾向を認めるのか調べた研究をご紹介します。
アメリカにおける自殺者のメンタルケアに関する傾向
アメリカ全土の自記入式の調査(2008~2019年)が元になっている研究で、約50万人が対象となりました。
毎年調査を行い、ここ1年間で自殺を図ったか、その間の状態や行動についても調べています。
結果として、以下のことが示されました。
①全体として自殺を図った人の割合を比較してみると、ここ10年で10万人あたり480人⇒560人と増えている。
②自殺を行う割合は、以下のような場合に増加していました。18~25歳の若者(1.81倍)、女性(1.33倍)、失業(2.22倍)、未婚(1.60倍)、物質使用(1.44倍)。
③自殺を図った場合でも、メンタルケアの利用は増えていませんでした。
つまり、“自殺企図の割合は増加傾向で、様々な背景があるが、メンタルケアの利用はなされていないことが多い”と言えそうです。
自殺を図るような精神状態でも、メンタルケアを受診するには抵抗感が強いか、援助に対する期待が持てない等、様々な理由が考えられました。
Comments