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アメリカの精神科医は心理療法を行わなくなっている


日本の精神科医はいわゆる“心理療法(精神療法)”をほとんど行わない傾向があると思われます(平均5~10分の日常診療の中でも一般的にいう“心理療法”を行えているという方もいるかもしれないので、認識の違いがあったらすみません)。


この“心理療法(精神療法)”をどのようにとらえるのか難しいところですが、一般的には認知行動療法等の“療法”と呼べるくらいの伝達可能な方法論や構造化を含んでいるものを言うのではないかと思います。


今回はアメリカでも、“心理療法(psychotherapy)”を行わなくなっているという現状について調べた研究をご紹介します。


アメリカ精神科医の外来心理療法提供に関する傾向


アメリカ全土の抽出による21期(1996~2016年)にわたる調査で29,673人の精神科医が調査の対象となりました。


結果として、1996年→2016年の変化に関して、以下の内容が示されました。

・心理療法全体44.4%→21.6%

・社交不安29%→8%

・気分変調症65%→30%

・パーソナリティ障害68%→17%

・統合失調症10→12%

そして、精神科医のうち53%は心理療法を全く行っていないという結果でした。


つまり、“アメリカの精神科医は心理療法を行わなくなりつつあり、特にその変化は非精神病性疾患について顕著である(精神病性疾患では元々低かった)”と言えそうです。


自己負担診療の精神科医は、より多くの心理療法を提供する傾向があり、心理療法減少の背景には保険診療の構造的な問題があるのかもしれません。

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