アルコール依存症の治療では、一度入院治療を行っても長期の断酒には至らず、再飲酒⇒アルコール乱用⇒再入院の経過をとりやすい傾向があります。
このような再入院のパターンになりやすい条件を見つけて、治療に役立てようというのが今回ご紹介する論文です。
アルコール使用障害の外来患者に関する再入院の予測因子
2006~2016年の10年間にアルコール使用障害の治療を受けた2130人が調査の対象となりました。
入院治療を行った後、退院時に参加登録を行い、再入院のリスクや再入院までの期間について調べました。
結果として、以下のような条件が再入院のリスクと考えられました。
①若い年齢
②他の精神疾患の病歴
③進行中の治療からのドロップアウト(自己中断)
④長い治療歴
上記のようなことを考えると、他の精神疾患による症状についても配慮しながら治療をすすめ、(アルコール依存の事実に直面していただくことを考えると、実際には難しいところもありますが)ドロップアウトを防ぐための関係性の維持に努める等が望ましいと思われました。
#アルコール依存症
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