◎要約:『コンピューターを用いた認知行動療法でも、アルコール症に対して有効である可能性がある』
今回は、アルコール症に対するコンピュータープログラムを介した認知行動療法の効果を調べた研究をご紹介します。
アルコール使用障害の成人に対するデジタル認知行動療法プログラム
A Digital Cognitive Behavioral Therapy Program for Adults With Alcohol Use DisorderA Randomized Clinical Trial
アメリカにおけるにおける研究で、アルコールの使用障害のある99人(平均45.5歳、66.7%が男性)が対象となりました。
対象者を3つのグループ(通常の治療、専門家による認知行動療法、コンピューターによる認知行動療法)に分けて、その効果の違いを調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・8週間の治療期間でいずれのグループでも改善を認めていましたが、グループ間の違いは明らかではありませんでした。
・8週間の治療期間で、コンピューターを用いた認知行動療法ではより早く治療効果(アルコールを飲まない日の増加)を認めていました。
・6ヶ月後の経過観察では、いずれのグループでも改善を認めていました(人による認知行動療法ではアルコールを飲まない日の割合が53.7%→70.2%、コンピューターによる場合では47.6%→82.6%)。
コンピューターを用いた認知行動療法で比較的早期の効果を認めている点が興味深いと思われました。
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