
昨日、アルツハイマー型認知症になりやすい遺伝子(APOE ε4)があった場合でも、良い生活習慣の効果があるという内容をお伝えしました。
今回は、かなり以前の論文(2009年)になりますが、アルツハイマー型認知症になりやすい遺伝子(APOE ε4)の影響についての研究を振り返りたいと思います。
Longitudinal Modeling of Age-Related Memory Decline and the APOE ε4 Effect
APOE ε4と加齢による認知機能低下に関する時間経過に沿った観察モデル
認知能力低下のない21から97歳の815人が研究に参加しました。
APOE ε4の有無を調べ、79人がもっとも影響が多いと考えられるホモ接合型、238人がヘテロ接合型、498人が非キャリアでした。
結果として、以下の内容が示されました。
・APOE ε4のキャリアである場合には、認知能力の低下が60歳未満から始まっていました。
・ホモ接合型の方が、ヘテロ接合型よりも、APOE ε4の影響が大きくなっていました。
・空間認知や全体的な精神状態についても、APOE ε4の影響が表れていました。
要約:『APOE ε4の遺伝子を持っている量に応じて、認知能力低下が早期に、より大きな変化で生じる可能性がある』
APOE ε4に関する遺伝子型が、認知能力進行の経過を予測する上でも、役立つ可能性が示されていました。
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