以前から、アルツハイマー病とヘルペスウイルス感染症の関連性が指摘されており、ヘルペスウイルスに感染することが、アルツハイマー病になる原因の一つではないかという議論があります。
今回は、大きな規模でヘルペスウイルス感染症と認知症発症の関連を調べた研究をご紹介します。
Incident Herpes Zoster and Risk of Dementia
A Population-Based Danish Cohort Study
デンマークにおける全国的な疾患登録を用いた研究で、1997~2017年のヘルペスウイルス感染と認知症発症との関連を調べています。
40歳以上のヘルペスウイルス感染のあった247,305人と感染はない(他の条件が同じの)1,235,890人を比較し、認知症の発症に対する影響を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・ヘルペスウイルス感染症があった場合には、その後の認知症の発症がわずかに少なくなっていました(リスクの目安となるハザード比で0.98倍)。
・神経領域のヘルペスウイルス感染症に限定すると、その後の認知症の発症は増えていました(ハザード比1.94倍)。
要約:『ヘルペスウイルス感染症と認知症発症との関連ははっきりしない』
ヘルペスウイルス感染症があったら、認知症が増加するのではないかという予想に反して、(神経領域に限定しない場合)わずかに低下したという結果でした。これをもって、ヘルペスウイルス感染と認知症との関連が否定されるというわけではありませんが、少なくとも明らかな関連性は指摘されませんでした。
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