◎要約:『初期のアルツハイマー病に対してドナネマブは有効である可能性がある』
初期のアルツハイマー病に対する新たな薬剤として、アメリカのFDAや日本での承認手続きが話題になっているドナネマブですが、今回は昨年の臨床試験について振り返って紹介致します。
Donanemab in Early Symptomatic Alzheimer Disease
The TRAILBLAZER-ALZ 2 Randomized Clinical Trial
アミロイドとタウ蛋白の病理がある、アルツハイマー病初期段階の患者1,736人(平均73.0歳、57.4%女性、タウ蛋白病理軽度~中等度が68.1%、高度が31.8%)が対象となりました。
対象者をおよそ半分ずつに分けて、偽薬の場合とで比較しました。
76週間の経過観察の結果として、以下の内容が示されました。
・アルツハイマー病の尺度(iADRS:0-144点、低いほうが病状が悪い)でみると、ドナネマブの方が明らかに症状が軽度でした(例:軽度~中等度で、ドナネマブ-6.02 vs 偽薬-9.27)。
・もう一つの認知症尺度(CDR-SB:0-18点、高いほうが症状が悪い)でみても、ドナネマブの方が明らかに症状が軽度でした(例:軽度~中等度で、ドナネマブ1.20 vs 偽薬1.88)。
現在のレカネマブとともに、アルツハイマー病の病状悪化のしくみに効く薬として期待される内容でした。
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