多数登場しては消えていく印象のあるアルツハイマー型認知症の治療薬ですが、今度の薬剤は少し希望が持てるかもしれません。
hydromethylthionine(ハイドロメチルメチオニン)という物質で、アルツハイマー病で沈着するタウタンパク質を阻害する働きがあります。
今回ご紹介するのは薬剤の試験のうち第3相という段階に関する論文です。
軽度から中等度のアルツハイマー病に対するハイドロメチルメチオニンの濃度依存性
軽度から中等度のアルツハイマー病に罹患している1,162人がこの試験に参加しました。
今回調べたのは1日あたり8mgという用量と、150mgまたは200mg使用した時で効果に違いがあるのかという点です。
通常なら、これだけ質量に大きな差があれば何らかの違いが期待されますが、今回得られた結果では、用量による違いは認めず、用量の大小に関わらず認知機能の低下や脳の萎縮の程度を明らかに軽減していました。
薬剤の効果として早くに定常状態となる特徴を持っているハイドロメチルメチオニンですが、現在までのところ有効である点に変わりはないので、患者さんの大きな利益につながることを期待して認可されるのを待ちたいと思います。
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