アルツハイマー病の脳組織における特徴には大きく2つに分けて、①細胞外におけるアミロイドβ(ベータ)という物質の沈着(老人斑)と、②細胞内で起こるタウ蛋白による神経原線維変化という現象があります。
アルツハイマー病を発見する検査には様々なものが存在しますが、一つにはタウ蛋白を検知するものがあり、その方法にも<1>脊髄液から分かるものと、<2>PETという画像検査で調べるものがあります。
今回は、アルツハイマー病で生じる認知能力の低下の時期と、<1>や<2>でアルツハイマー病が発見できる時期について調べた研究をご紹介します。
アルツハイマー病の生物学的指標としての脊髄液タウ検査とPETを用いた検査の相違
322人(女性が56%、平均73.08歳)について、脊髄液検査とPET検査が行われました。
上記のうち、213人は認知機能の低下がなく、98人は軽度認知障害、11人はアルツハイマー病でした。
結果として、脊髄液検査とPET検査の陽性/陰性結果、臨床経過の組み合わせから、脊髄液検査はPET検査よりも早期に、アルツハイマー病のタウ蛋白による影響(認知能力低下)を予測できる可能性が示されました。
ある病気(障害)に関する検査には、その病気で起こる様々な現象のうち、どの現象をとらえるのかという違いがあり、同じ現象でも違った方法で捉える検査が複数存在する場合があります。
今どんな目的で検査を行おうとしているのかを明確に意識し、検査の性質を理解して検査の選択・組み合わせを行う必要性を感じました。
#アルツハイマー病
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