
うつやパーキンソン病の非薬物療法として、頭蓋の上から、あるいは微小な器具を埋め込んで行う様々な刺激法があります。
日本でも一部の施設で、反復経頭蓋磁気刺激法(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation) が行われており、一定の効果を上げています。
今回は新しい手法として、アルツハイマー病に対して超音波を用いた刺激法の論文が発表されたのでご紹介します。
超音波による経頭蓋パルス刺激のアルツハイマー病に対する効果
アルツハイマー病に罹患した35人が対象となり、偽刺激を行った場合を対照として、比較が行われました。
結果として、目立った副作用はなく、3ヶ月間は継続する明らかな記憶の改善を認めました。
また、脳の働きを調べる機能的MRI画像と呼ばれる検査でも、記憶に関与する領域の活性化が生じました。
まだ、人間を対照としたものとしては先端の研究で、有効性を示すためにはこれからもっと規模の大きな、デザインの異なる研究が必要であるとは思われます。
しかし、(薬物療法においても進展はみられていますが)アルツハイマー病にとって新しい光明となる可能性を感じさせる研究でした。
#アルツハイマー病
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