APOE-ε4 という遺伝子が2つ揃った場合にはアルツハイマー病のリスクが高くなることが知られています。
アルツハイマー病のリスクはこれだけではありませんが、今回はこのような遺伝子型の違いによっても、食生活の影響が異なるかもしれないという内容の研究をご紹介します。
アルツハイマー病の高リスク遺伝子保持者でDHA摂取により脳血管や脳萎縮が軽減する
ALFA (ALzheimer and FAmilies) studyという研究で登録されている340人が対象となりました。
このうち、アルツハイマー病のリスクとなるAPOE-ε4 について、2つ揃った人61人、1つの人157人、全く無い人122人でした。
魚類に多く含まれるDHAは認知症予防に効果があると言われていますが、中年期からの魚類摂取の状況と脳の画像所見(皮質の厚さや梗塞が起こっている様子)や認知機能の関連を調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①遺伝子型を限定せずにみた場合、DHA摂取と認知機能や脳血管の状態に明らかな関連はありませんでした。
②遺伝子型をAPOE-ε4 の2つ揃った場合に限定してみた場合のみ、DHA摂取と脳皮質の厚さが関連していました。
つまり、“遺伝子型からみた高リスクのグループでは、通常よりも魚類摂取による認知症予防の効果が高くなる”可能性が示されました。
一般的に認知症予防には効果があると言われるDHAですが、個人ごとの条件によって効果に違いがあるようです。
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