かつて退役軍人などを対象として、インフルエンザの予防接種と認知症リスクの軽減との関連が指摘されたことがありました。
今回は、高齢期の対象者について、インフルエンザ予防接種とアルツハイマー病のリスク軽減との関連について調べた研究をご紹介します。
インフルエンザ予防接種後のアルツハイマー病発症リスクについて
認知症に罹患していないおよそ200万人が対象となり、インフルエンザ予防接種以外の影響しそうな要素については条件をそろえて、ペア(平均73.7歳)を作成しました。
約4年間の経過を追い、アルツハイマー病の発症率を比較しました。
結果として、アルツハイマー病の発症について、インフルエンザ予防接種をした場合は5.1%(47,889人)、予防接種をしていない場合は8.5%(79,630人)で、予防接種をした場合の、していない場合に対する相対的リスクは0.60倍となっていました。
つまり、“インフルエンザの予防接種はアルツハイマー病の発症を抑える可能性がある”と言えそうです。
全ての影響する条件がそろえられていない可能性もありますが、インフルエンザの予防接種そのものや未知の関連する要素がアルツハイマー病の発症を抑制する可能性が考えられました。
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