眠気に対処するための方法としてカフェインを含んだ飲料が頻用されますが、最近は、カフェインを大量に含んだ飲料は交感神経の過剰な活性化を介して健康に悪影響を及ぼすことが指摘されています。
今回は、カフェイン摂取の脳への影響を画像検査から調べた研究をご紹介します。
毎日のカフェイン摂取は濃度に依存して内側側頭葉の形状変化をもたらす
20人の健常者を対象に、まず150mgのカフェインを毎日3回10日間服用してもらい、プラセボと脳体積の比較を行いました。
それから、10日間カフェインを摂取せず、もう一度画像検査を行いました。
結果として以下の内容が示されました。
①カフェインを摂取した場合、脳の内側側頭葉の体積減少を認めました。
②カフェイン摂取を止めた後では、上記の体積減少は回復していました。
つまり、カフェイン摂取により一時的に脳の体積減少を認め、これはカフェインの中止により回復することが示されました。
これは、少数の試験であり、脳の体積減少が必ずしも機能的な悪影響を及ぼすのかは分かりません。
しかし、カフェインの影響について、このような脳の一時的な形状変化が起こることは興味深い現象であると思われました。
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