◎要約:『ケアの便りは、自死企図のイベントや死亡率を低下させる効果はないが、支援機関の利用につながる可能性がある』
以前にも自殺の危険性がある場合に、メッセージンを送ることで精神状態を改善できる可能性についてお伝えしました。
今回は、退役軍人を対象として、ケアの便りを送ることでどのような影響があるのかを調べた研究をご紹介します。
Caring Letters Sent by a Clinician or Peer to At-Risk Veterans
A Randomized Clinical Trial
危機にある退役軍人への医師や同僚からのケアの便り
危機にある退役軍人のための電話相談口: the Veterans Crisis Line (VCL) に連絡のあった102,709人(平均53.82歳、84.65%が男性)が対象となりました。
対象をランダム化し、片方のグループにはケアの便りを9回/年送り、自死企図や医療・支援機関の利用について調べました。
ケアの便りについて、以下の内容が示されました。
・自死企図のイベントとの間には明らかな関連性はありませんでした(自死企図を減らす効果はありませんでした)。
・医療・援助機関の訪問と関連性を認めました(すべての外来で、ハザード比1.10倍、メンタルヘルスの外来で1.19倍)
・全死亡率と明らかな関連性はありませんでした(死亡率を減らす効果はありませんでした)。
支援機関の訪問から、間接的にイベントや死亡率の減少につながることが期待される内容でした。
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