成人のうつ病について、他の薬剤が有効でなかった場合でも、ケタミンの静脈注射が有効である結果が示されてきました。
抗うつ薬では、成人で有効であった薬剤でも、若年者では異なった副作用が出たり、有効でない場合があるので、成人の結果がそのまま当てはまると考えることができません。
今回は、ケタミンの静脈注射が若者でも有効なのか、特別な副作用が出ないのか調べた研究をご紹介します。
若者の治療抵抗性うつ病に対するケタミン静脈注射の効果
13~17歳のうつ病の診断を受けている17人について、うつ症状の変化をケタミン注射とプラセボ(ミダゾラム)を注射される場合とを比較しました。
結果として以下の内容が示されました。
①1回の静脈注射で24時間後の症状をMADRSといううつ病尺度で比較したところ、ケタミンで15.44点、プラセボで24.13点となっており、3日後の症状軽減の維持率はケタミンで75%、プラセボで35%でした。
②ケタミンは今までも知られているように「解離」と呼ばれる症状と関連していましたが、重い副作用は認めませんでした。
つまり、ケタミンの静脈注射は成人と同様に即効性があり、若者特有の副作用もなかったようです。
少数例の試験であり、まだ検証が必要と思われますが、ケタミンの有効性は広い年代で認められる可能性が高いと思われました。
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