ココアに含まれているフラバノールは末梢の循環を改善する効果があると指摘されてきました。
昨日は、脳の循環に関してココアの効果を検証した研究でしたが、今回は末梢循環障害のある患者で、どのように歩行機能に影響があるのか調べた研究をご紹介します。
末梢循環障害のある高齢者におけるココアの歩行機能改善効果
44人の末梢循環障害のある高齢者(平均72.3歳)が対象となりました。
15gのココアと75mgのカテキンを含む飲料を毎日飲むグループとプラセボの飲料を飲むグループに分けて、6ヶ月後の末梢循環や歩行の状態を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①ココア摂取後、2.5時間後における歩行距離(42.6m/6分の増加)、24時間後における歩行距離(18.0m/6分の増加)に良い影響が現れていました。
②筋肉の生検をしたところ、ミトコンドリアの酵素活性の向上、血管の密度の増加、筋肉内の循環改善等を認めました。
つまり、ココアの6ヶ月間飲用による効果は、筋肉内の循環改善を背景として、歩行機能の向上として現れる、ということのようです。
ココアが、脳に対してのみではなく、全身の循環に改善効果を認める可能性を示唆している論文でした。
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