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サイコパスと脳の構造的特徴


まずは、サイコパスについて抜粋です。

“Psychopathy describes a set of personality traits and behaviors frequently associated with lack of emotional sensitivity and empathy, impulsiveness, superficial charm and insensitivity to punishing consequences. Psychopathy is observed in about 1% of the population, is much more prevalent in men than women, and affects about 15–25% of the prison population.”

サイコパスは情緒的感受性や共感性の欠如・衝動性・表面的魅力・法的制裁に至るような無思慮によって特徴づけられる。人口のおよそ1%に認められ、女性よりも男性に多い、服役中の人口においては、15~25%に影響すると言われている。

(B.F. O’Donnell, W.P. Hetrick, in Encyclopedia of Mental Health (Second Edition), 2016)


これまでに、サイコパスでは脳の線条体の体積が増大していることが指摘されてきましたが、他の合併している精神疾患等の影響もあると考えられてきました。


今回は、これまでの指摘を踏まえて、サイコパスと脳の構造変化について調べた研究をご紹介します。


線条体の大きさは成人サイコパス病理に関連する


サイコパスの病理がある108人の成人男性と少人数の女性(基準としてPsychopathy Checklistを使用)が対象となりました。


脳の構造的変化の特徴や、他の合併している疾患や特徴との関連を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①脳の線条体の体積はサイコパスの傾向が強いほど大きくなっていました。

②他の合併している疾患や特徴(例:物質依存、反社会性パーソナリティ障害、ADHD等)を調整しても、線条体の増大傾向は変わりませんでした。

③18例で健常者と比較対照を行ったところ、線条体は9.4%の増大を示していました。

④刺激の探索と衝動性の傾向がサイコパスと線条体体積の関連を、49.4%の割合で介在していました。


つまり、“サイコパスでは、線条体体積が増大する傾向があり、これは他の疾患や特徴には関係なく認められる”と言えそうです。


サイコパスで生じている神経学的な変化について、参考となりうる内容であると思われました。

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