性機能改善薬として知られるシルデナフィル(ホスホジエステラーゼ-5阻害薬)は、アルツハイマー病のリスクを軽減するのではないかという指摘があります。
今回は、この点について処方記録と研究室での実験から検証した内容の論文をご紹介します。
No association between initiation of phosphodiesterase-5 inhibitors and risk of incident Alzheimer’s disease and related dementia: results from the Drug Repurposing for Effective Alzheimer’s Medicines study
ホスホジエステラーゼ-5の開始とアルツハイマー病やその他の認知症リスクに関連性はない
ホスホジエステラーゼ-5阻害薬が処方されている場合と他の薬剤の処方で、どのようにアルツハイマー病のリスクが異なるのか、他の影響しそうな因子を調整した上で比較しました。
また、研究室での実験で、ホスホジエステラーゼ-5が、アルツハイマー病において特徴的な分子の生成を抑制するかを確認しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・ホスホジエステラーゼ-5阻害薬の処方とアルツハイマー病のリスクは明らかな関連を示していませんでした。
・研究室における実験に於いてホスホジエステラーゼ-5阻害薬は、アルツハイマー病特有の化学変化を抑制しませんでした。
要約:『シルデナフィル等のホスホジエステラーゼ-5阻害薬は、アルツハイマー病のリスク軽減の作用を持たない』
一般的に信頼性が高いとされる研究デザインではないのですが、今まで指摘されてきたシルデナフィル等の認知症リスク軽減効果に対して、疑問が付される内容でした。
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