早産はその後の認知機能の発達水準を下げるリスクがありますが、さらに育児の中でテレビやコンピューター・携帯の視聴等が長時間利用された場合にどのような影響があるのでしょうか?
今回は、元来の早産による影響に加えて、スクリーンタイムがどのような変化をもたらすのか調べた研究をご紹介します。
超早産児における長いスクリーンタイムと学校時代の認知・遂行機能・問題行動の関連
414人の超早産児(平均出生体重870.6g、227人が男児)が研究の対象となりました。
スクリーンタイムが多い(2時間より多い)or 少ない(2時間未満)/寝室におけるテレビやコンピューターの有無に分けて、6~7歳における認知・遂行機能・問題行動の違いを調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①スクリーンタイムが多いと全体的な知能が低下し、遂行機能や抑制機能の障害等が多くなっていました。
②テレビやコンピューターが寝室にあると抑制機能や多動・衝動性の問題が多くなっていました。
つまり、“早産児で、携帯やコンピューター・テレビ等を育児に多く用いると、元来の低下傾向がさらに悪化する可能性がある”ことが示されました。
養育の困難さがあるときには、よりスクリーンタイムは長くなる傾向があると思われますが、さらにその後の経過を悪化させる可能性が考えられました。
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