ストレスが多いと白髪が増える等、加齢と関連する生理的現象が起こるというイメージがあります(以前にこのブログで実際に白髪が短時間で進行することを研究した論文を紹介しました)。
今回は、ストレスと遺伝子的に確かめられる加齢・ストレス反応性の生理現象がどのように関連するのか調べた研究を紹介します。
心理的・生物学的回復力(レジリエンス)がストレスによる後成学的加齢を修飾する
444人ついて、累積ストレスと、遺伝子的に確かめられる生物時計(GrimAge)・ストレス関連生理現象の関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①累積ストレスによって、生物時計は加速し、ストレスに対するホルモンの反応(コルチゾール/ACTH比)やインスリン抵抗性が上昇する。
②感情制御や自己抑制の能力が高い場合には、ストレスと生物時計の加速との関連は弱められていました。
つまり、“ストレスが高いほど生物時計は加速し、感情制御や自己抑制といった能力はその加速を弱める可能性がある”と言えそうです。
ストレスと予測寿命の短縮との関連が客観的に示されており、ストレスやそれを修飾する因子の意義が確認できました。
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