摂食障害の背景にある要素として、自分の体型や体重に関する自尊心の低下(“ボディイメージの障害”と言われることもあります)が重要であると指摘されてきました。
今回は、ソーシャルメディアの制限が、このような体型や体重に関する自尊心にどのような影響を与えるのか調べた研究をご紹介します。
Reducing Social Media Use Improves Appearance and Weight Esteem in Youth With Emotional Distress
ソーシャルメディアの制限が気分の不調をともなう若年者における体型や体重に関する自尊心を回復する
17~25歳の220人(76%が女性)が対象となりました。
3週間、1日のソーシャルメディアの使用を1時間に制限し、全く制限を行わない場合と比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・ソーシャルメディア制限を行ったグループでは、体型に対する自尊心も、体重に対する自尊心も、その前の期間に比較して明らかに改善を示していました。
・ソーシャルメディアの制限を行わなかったグループでは、体型や体重に対する自尊心に変化はありませんでした。
・自尊心の改善の程度に性差はありませんでした。
要約:『ソーシャルメディアの制限は、摂食障害の背景となる体型や体重に対する自尊心を改善させる可能性がある』
このような実験における介入と、実社会での(親などによる)介入では大きく結果が異なる場合があるので注意が必要ですが、ソーシャルメディアによる他者との比較が軽減される機序が考えられました。
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