アミロイドβやタウ蛋白等、アルツハイマー病で蓄積する物質を目標として、治療法の開発が行われてきました。
今回は、アルツハイマー病の目標として今までとは異なる対象があるかもしれないという内容です。
脳内における老化細胞の増殖によってCDKN2D/p19が存在する細胞とタウ蛋白の病理が明らかになる
正常な細胞死には至らない老化した細胞=“ゾンビ細胞”が脳組織に蓄積されると、脳の機能障害を惹き起こすことが指摘されています。
今回の研究では、76の検体より採取した脳細胞から以下の内容が示されています。
①老化したいわゆる“ゾンビ細胞”の多くにアルツハイマー病に特徴的な所見(神経原線維変化)が認められる。
②細胞老化(細胞のゾンビ化)に最も影響する遺伝子候補としてCyclin-dependent kinase inhibitor 2D (CDKN2D/p19) が挙げられる。
つまり、“今後の新しいアルツハイマー病の治療として細胞の老化を防ぐ、あるいは老化した細胞を減少させる方法が考えられ、CDKN2D/p19遺伝子との関連で明らかとなる可能性がある”と言えそうです。
現在、アルツハイマー病の新しい治療薬についても多くの議論があり、有効性が疑問視されている中で、新しい治療目標が見つかることは希望が持てる内容だと思われました。
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