脳の画像検査には形態の分かるものに加え、血流や様々な物質の堆積が分かるものが存在します。
今回はアルツハイマー病の特徴の一つとされるタウ蛋白の集積を画像的に把握する評価方法が、臨床的な病状の悪化と関連しているのか調べた研究をご紹介します。
タウPETの視覚的評価と軽度認知障害・アルツハイマー病の臨床的進行の関連
タウ蛋白の集積が分かる画像検査(以下、タウPET)を受けた364人(48%女性、平均71.8歳)が研究の対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
①タウPETの視覚的評価で悪化パターンと判定された場合の70%で、症状尺度の明らかな悪化を認めました。
②臨床的尺度(CDR)が、タウPET悪化パターン: 2.28増、非悪化パターン: 0.98増となっていました。
つまり、タウPETという画像検査を目でみて評価すれば、症状悪化と一致した結果が得られる、ということのようです。
脳の見た目の堆積の減少(脳のやせ)のみだと、症状と一致するような実際の病状進行が評価しにくいかもしれませんが、(費用と高度な設備が必要ですが)このような検査では病気の本態が評価できるようです。
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