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チャットボットで摂食障害が予防できる

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

摂食障害に対して、認知行動療法や対人関係療法が有用であることが指摘されてきました。しかし、これらの心理療法は人的/ 経済的側面から入手しにくい現状があります。


今回は、効果を上げた心理療法のモデルに沿ってプログラミングされた“チャットボット”が摂食障害の予防に有効か調べた研究をご紹介します。

※チャットボット: 人とチャット(会話)を行うように、文字を入力するとプログラムに沿って返答を返してくれるシステム。


摂食障害予防に対するチャットボットの有効性


700人の女性(平均21.08歳)が参加し、チャットボットによる介入を行うグループと待機するグループに分けました。


介入を行うグループには週に2回、チャットボットと会話するように促し、体型に関する認知や精神症状の経過を調べました。


結果として、以下のことが示されました。

①体型に関する認知を測る尺度(Thin/Low Body Fat subscale of the Sociocultural Attitudes Toward Appearance Questionnaire)で、介入したグループでは体型・体重に関する心配が軽減していました。

②チャットボットを使用したグループでは、摂食障害を惹き起こす精神病理を一部軽減し、摂食障害の発症が抑制されていました(例:3ヶ月後、臨床レベル以下にとどまっている割合を比較したところ、チャットボットを使用したグループはオッズ比2.37倍)。


つまり、“チャットボットを用いたプログラムを経験すると、摂食障害の発症に関わる体型への心配が軽減し、発症する割合が少なくなる可能性がある”と言えるかもしれません。


対面でカウンセラーに相談するよりも、チャットボットだと(手応えも少ないかもしれませんが)心理的抵抗感が少ないかもしれないと思われました。

※紹介しているYoutube動画


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