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ニューログラニンはアルツハイマー病の指標となり得るか?

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

血液検査でわかるアルツハイマー病の指標として、アミロイドβやタウ蛋白が知られていますが、近年、感受性や特異性が高い他の物質についても検討が進められています。


今回は、ニューログラニンとαシヌクレインという物質に関して調べた研究をご紹介します。


アルツハイマー病の新しい指標としてのニューログラニン


アルツハイマー病の患者29人(平均67.8歳)とアルツハイマー病ではない脳の炎症性疾患や腫瘍の患者を含む59人(平均62.5歳)が対象となりました。


脳脊髄液を用いて、ニューログラニンやαシヌクレインを測定し、指標として確立されているタウ蛋白や認知機能との関連を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①ニューログラニンは脳脊髄液中のタウ蛋白や認知機能の低下と良く関連していました。

②ニューログラニンは306pg/mlを境として診断の指標として使用すると感度84.2%、特異度78%となっていました。


つまり、“脳脊髄液中のニューログラニンは、アルツハイマー病の指標として、比較的優秀な物質と言えるかもしれない”ということです。


ニューログラニンは神経どうしが接続する部位(シナプス)に存在し、神経のダメージにより増加すると言われています。


今回は脳脊髄液に関しての結果でしたが、より使用しやすい診断を補助する指標として期待が持てる物質であると思われました。

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