ニコチンよりも弱くニコチン受容体を刺激して禁煙を援助するバレニクリンという薬があります。
また、薬物への渇望を軽減し、麻薬やアルコールからの離脱を援助するナルトレキソンという薬があります。
今回はこの2つを組み合わせたバレニクリン+ナルトレキソンが、喫煙と飲酒両方の問題がある時に有効か調べた研究をご紹介します。
禁煙と節酒に対するバレニクリンとナルトレキソンを組み合わせた効果
大量飲酒と喫煙のある165人が研究の対象となり、
(a)バレニクリン2mg+ナルトレキソン50mg
(b)バレニクリン2mg+偽薬
の2通りの効果を比較しました。
結果として以下の内容が示されました。
①12週で経過観察で、飲酒については(a)のほうが僅かに節酒できていました。
②26週の経過観察で、飲酒についてははっきりせず、禁煙については(b)の方がが多くなっていました。
つまり、“喫煙のコントロールについてナルトレキソンを加える意味がなく、飲酒に関してもあまりはっきりしない”ことが示されました。
様々な条件で確認しないと、本当に効果がないのかは分かりませんが、今回の飲酒の多い喫煙者のという条件ではこの組み合わせで大きな効果を認めない可能性が高そうです。
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