◎要約:『パンデミック期間中には、若い世代でうつや不安が悪化する傾向があり、特に比較的高い社会経済状況で起こりやすい』
今回は、COVID-19によるパンデミック期間中に若い世代でどのような精神状態の変化が生じていたのか、経済的状況との関連を調べた研究をご紹介します。
COVID-19によるパンデミック期間中の社会経済的条件と若年者の精神状態
Socioeconomic Disadvantage and Youth Mental Health During the COVID-19 Pandemic Lockdown
アメリカにおける研究で、若年世代の精神発達を調べた研究: The Adolescent Brain Cognitive Development (ABCD) Studyを元にしています。最終的には10,399人(52.3%男性)の若年世代が対象となりました。
研究は、パンデミック期間以前(9~10歳)から開始されており、パンデミック期間中、その後の精神状態を比較しています。
結果として、以下の内容が示されました。
・パンデミック期間中には、全体的な精神的問題、うつ状態、不安において悪化を認めました。
・パンデミック期間中に認めた精神状態の悪化は、経済状況と関連しており、特に比較的社会経済的状況が高い場合の方が、悪化が大きい傾向がありました。
社会経済的状況が高い場合で精神状態の悪化が大きい理由については不明ですが、パンデミック期間終了後の長期的な予後についても知りたい内容でした。
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