◎要約:『パンデミック期間中の衛生施策の厳しさは若年者における精神状態の悪化と関連する』
今回は、COVID-19パンデミックにおける衛生管理の厳しさと若年者の精神状態について調べた研究をご紹介します。
ノルウェーにおけるCOVID-19パンデミック期間中の検疫と思春期若年者の精神状態
COVID-19 Pandemic Quarantines and Mental Health Among Adolescents in Norway
ノルウェーの保険登録情報を基としたコホート研究で、7,787人の思春期若年者(平均年齢17.0歳、57%女性)が対象となりました。
様々な衛生施策の厳しさを示す指数や検疫の回数などと、精神状態の関連について調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・衛生施策の厳しさや、検疫が直近であること、検疫の回数が思春期若年者の精神状態の悪化と関連していました。
・上記の関連は性別、年齢、パンデミック以前の不安やうつ、精神疾患になりやすい遺伝的傾向、とは関係ありませんでした。
・検疫の回数が精神状態の悪化と最も強く関連しており、これは両親の教育歴やうつ病への遺伝的要因の少なさとも関連していました。
衛生管理による精神状態の悪化が、以前の不安やうつとは無関係で、むしろうつになりにくい遺伝的傾向の人で起こりやすい点が意外に思えました。
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