肺炎などの急激な身体的悪化に伴って、認知能力の低下が進んでしまうことがあります。
その後、入院が長期に及んだ場合には環境変化の影響も重なり、より大きな結果をもたらすことが少なくありません。
今回は、急激な身体的変化をきたした高齢者において、ビタミンD濃度とその後の認知機能について調べた研究を御紹介します。
高齢の救急受診者におけるビタミンD欠乏と長期認知障害
救急を受診した高齢者134人(平均74歳)が調査の対象となりました。
上記の対象者において、救急受診時の血液検査(血清中のビタミンD)、生存していた場合6ヶ月後の認知能力を測定しました。
結果として、当初認知機能低下を認めなかった場合には、ビタミンDの欠乏と認知障害の出現が関連していました。
しかし、最初から認知機能が低下している場合には、その後の変化にビタミンD欠乏は影響していませんでした。
つまり、急激な身体的悪化をきたした時に、一緒にビタミンD欠乏を合併していると、その後認知症になりやすいという可能性を示しています。
付随する条件によって影響を受けている可能性は否定できませんが、普段から栄養状態に気をつけておくことは、合併する認知症予防の観点からも重要であるようです。
#栄養
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