ビタミン等栄養素の補充がうつ病(状態)の軽減や自殺予防に有効ではないかと指摘されることがあります。
今回は、ビタミンDの補充が投与開始からの自殺リスクにどのような影響を与えるか調べた研究をご紹介します。
The association between vitamin D serum levels, supplementation, and suicide attempts and intentional self-harm
ビタミンD血漿濃度、補充療法、自殺企図、自傷の関連
アメリカの退役軍人を対象とした研究で、今までのデータを振り返るかたちで、ビタミンD2、D3の自殺事象(自殺企図や自傷を含む)への影響を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・ビタミンDの補充は自殺事象のリスクを軽減していました(D3で45%、D2で48%)。
・効果の違いとしては、黒人で、最初のビタミンD濃度が低い(0-19 ng/ml)の場合が最も効果が大きく、64%のリスク軽減となっていました。
・補充の用量が多い方が、自殺事象のリスク軽減が大きくなっていました。
要約:『ビタミンDの補充療法は自殺のリスク軽減に効果があり、元の濃度が低い場合の方が効果が大きい可能性がある』
それまで十分にとれていなかった場合には、リスク軽減の幅が大きく、補充の意義が多いと思われました(一般的にビタミンDが多く含まれている食品として、さんま、鮭、いわし、しらす干し、干しシイタケ、きくらげ、うなぎ等が知られています)。
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