◎要約:『ホームレス状態における精神疾患の有病率は6~7割で、物質障害など多岐にわたる可能性がある』
今回は、ホームレス状態の人々において精神疾患がどのくらい存在するのかを調べた研究の分析(メタ・アナリシス)をご紹介します。
Prevalence of Mental Health Disorders Among Individuals Experiencing Homelessness
A Systematic Review and Meta-Analysis
ホームレス状態の人々における精神疾患の有病率
ホームレス状態における精神疾患の有病率について調べた論文のうち、最終的には85の論文(48,414人の参加者、23%が女性)が分析に含まれました。
結果として、以下の内容が示されました。
・ホームレス状態における精神疾患全体の現時点での有病率は67%で、生涯有病率は77%でした。
・有病率は男性で高く(86%)、女性の方が低く(69%)なっていました。
・疾患別でみると、物質障害(症):44%、反社会性パーソナリティ障害(症):26%、うつ病:19%、統合失調症:7%、双極性障害(症):8%となっていました。
生活を安定させるための基盤づくりと同時に、精神疾患の治療的介入も重要であると思われました。
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