ボツリヌス毒素の抗うつ効果について


うつ病の薬物治療を行っていて、抗うつ薬の効きにくい場合を経験します。


一般的にはこの割合は患者さんのうち3分の1程度とされています。


もちろん、認知行動療法等の心理療法も有効であることが認められていますが、薬物療法以外のさらに新しい選択肢が求められています。


今回は、“ボトックス注射”として知られているボツリヌス毒素の注射がうつ症状に有効ではないかという内容の論文を紹介します。


Postmarketing safety surveillance data reveals antidepressant effects of botulinum toxin across various indications and injection sites

安全性調査から分かった、投与目的や部位によらないボツリヌス毒素の抗うつ効果


FDA(食品や薬品の管理を行っているアメリカの政府機関)の副作用に関する170,000件を超えるデータを分析しました。


ボツリヌス毒素の注射はシワを軽減する美容目的のものが有名ですが、他にも過剰な発汗、片頭痛、痙攣の治療など、多くの目的で使用されます。


部位もシワが出る眉間の部位だけではなく、広範な部位に使用されます。


調査の結果として、そのいずれの目的・部位においても、うつ症状の少なさと明らかな関連を認めていました。


例えば、シワの目的では同様の目的で他の治療法がとられた場合に比べてうつ病のリスク(オッズ比)が0.46倍、片頭痛に関しては0.60倍となっていました。


仕組みに関していくつか想定されていますが、現在のところ明らかではありません。


ケタミン注射等と同様に、うつに対する新たな治療法の一つとなる可能性を感じました。


#うつ病


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