マインドフルネスは不安に対して薬物と同じくらい効果があるか？

価値判断をせずに、今この瞬間に意図的に注意を向けるマインドフルネスは、瞑想や日常の様々な生活場面で行うことが可能であり、うつや不安等の精神状態の悪化に適応が広がっています。

今回はマインドフルネスの方法として知られているマインドフルネスに基づくストレス逓減法mindfulness-based stress reduction (以下、MBSR)について、不安に対して頻繁に使用される薬剤（エスシタロプラム）との比較を行った試験（非劣性試験）についてご紹介します。

Mindfulness-Based Stress Reduction vs Escitalopram for the Treatment of Adults With Anxiety Disorders

A Randomized Clinical Trial

症状として不安を示す208人（平均33歳、75％が女性）が対象となりました。

対象者を約半分ずつに分け、片方には薬物療法（エスシタロプラム）、もう片方には MSBRを行い、8週間で効果を観察しました。

結果として、以下の内容が示されました。

・今回用いられた尺度（CGI-S）で評価した結果、MBSRで1.35減、薬物療法で1.43減で、大きな違いはありませんでした。

・薬物療法では10人（8％）の中止がありましたが、MBSRではありませんでした。また、副作用は薬物療法で78.6％、MBSRで15.4％に発生しました。

要約：『不安の軽減効果において、マインドフルネスは薬物療法（エスシタロプラム）と大きな差異はない』

不安症状を中心とする病態において、副作用の少なさ等を考えるとマインドフルネスはすすめられる選択肢であると思われました。

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