◎要約:『子ども時代のマルトリートメント(不適切な養育)は、その後の細胞内加齢現象に影響を与えるかもしれない』
今回は、身体的暴力やネグレクト等のマルトリートメントが、細胞内の物質変化で確かめる加齢にどのような影響を与えるのかを調べた研究をご紹介します。
子ども時代のマルトリートメントと長期間のエピジェネティクス(後成的遺伝学)による観察結果
Childhood Maltreatment and Longitudinal Epigenetic AgingNIMHD Social Epigenomics Program
アメリカの都市部における研究で、1,971人の子ども(50.3%男性)が抽出されて対象となっています。
3~5歳における身体的暴力やネグレト等のマルトリートメントが、15歳までの細胞内加齢現象(DNAmAAと呼ばれる細胞内の物質変化で測定される加齢)にどのような影響を与えているのかを調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・3歳時の身体的暴力、感情的攻撃、身体的ネグレクトや5歳時の感情的ネグレクトが、その後の細胞内加齢現象と関連を示していました。
・マルトリートメントの種類により、加齢現象に与える影響のパターンが異なっていました。
マルトリートメントの種類や時期により、出現の仕方は様々であるようですが、細胞内で確認される加齢的変化が影響を受けている可能性が考えられる内容でした。
留言