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メチルフェニデートの服用と循環器疾患リスク

◎要約:『メチルフェニデートの服用開始後の短期間で比較した場合、わずかだが循環器疾患の発生率が上昇するかもしれない』






ADHD治療薬のうち、メチルフェニデートに関して、循環器疾患リスクの上昇する可能性が以前から指摘されてきました。


今回は、メチルフェニデートの短期服用で、循環器疾患の発症にどのような影響があるのかを大規模なデータで調べた研究をご紹介します。


Methylphenidate and Short-Term Cardiovascular Risk


スウェーデンにおける研究で、メチルフェニデートを使用している12~60歳の252,382人(57.8%が男性、平均20歳)が対象となりました。


ADHDの罹患、メチルフェニデートの服用以外の条件を合わせた225,672人と比較し、短期(6ヶ月間)のメチルフェニデート服用による循環器疾患(心筋梗塞等の虚血性心疾患、静脈血栓症、心不全、不整脈を含む)のリスクについて調べています。


結果として、以下の内容が示されました。


・メチルフェニデートを服用していた場合のリスクは1.51/10,000人週(人数と週をかけ合わせた数を用いたリスク表記)で、非服用では0.77/10,000人週でした。


・服用開始6ヶ月までのところで、メチルフェニデート服用者では10%程度循環器疾患イベントの発生率が高くなっていました。



研究の方法によっては異なったデータもあり、断定的なことは言えませんが、メチルフェニデートの服用がわずかでも循環器機能に影響を与える可能性が考えられました。

 
 
 

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