著名人が精神疾患についてコメントしたり、あるいは自らの精神疾患について開示することで、様々な影響が考えられます。
今回は、アメリカのラップ・ミュージックに登場するメンタルヘルス用語について調べた研究をご紹介します。
ヒットしたラップ・ミュージックのメンタルヘルス開示に関する分析
1998、2003、2008、2013、2018の各年で最もヒットした5曲を選んで、5年分の合計125曲が分析の対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
①全期間を通して20%前後の楽曲に精神状態に関する苦しみが表現されていました。(例:不安28%、抑うつ22%、自殺6%)
②傾向として精神状態に関する表現は増加していました。(例:1998→2018の順で、自殺0→12%、抑うつ16→32%)
このようにメンタルヘルスに関する開示が増えることで、偏見が減ることもあるかもしれませんが、自殺の助長のような影響も懸念されます。
影響の性質に関して一概に述べることはできませんが、音楽から得られる情報や印象については慎重に解釈する必要がありそうです。
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