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リチウムを加えることが自殺予防に有効ではない可能性


リチウムは双極性感情障害の病相を安定化する上で有効なので、(副作用や中毒症状に注意しながら)頻用される薬剤の一つです。


さらに、薬物療法における知識として、希死念慮が強いうつ病や躁うつ病(双極性感情障害)に対してリチウムを処方すると良いと言われています。


今回は、このリチウムの自殺予防効果について疑問を投げかける結果の論文をご紹介します。


うつ病あるいは双極性障害の退役軍人における反復される自殺関連事象に対するリチウムの予防効果


うつ病あるいは双極性感情障害(躁うつ病)の退役軍人519人(平均42.8歳)が対象となりました。(最終的にグループの振り分けを行ったのは以下の人数)


1日600mgのリチウムを服用するグループ255人と、偽薬のグループ264人に分け、3ヶ月で行った自殺関連事象(自殺企図・自殺・自殺防止のための入院)について調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①全体として自殺関連事象のハザード比は1.10倍とほとんんど変わらなかった。

②具体的にはリチウムのグループで65人(そのうち1人が死亡)、偽薬のグループで62人(3人が死亡)の自殺関連事象が起こった。

つまり、“リチウムの自殺予防効果は今まで考えられていたほど大きいわけではない可能性がある”と言えそうです。


これは募集をして行った試験の結果を示したものであり、現実世界での経過とは傾向が異なる可能性もありますが、リチウムの効果に関して、これまで考えられてきたほどの自殺予防効果はない可能性が考えられました。

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