リチウム投与による自殺関連事象への効果

うつ病における希死念慮を軽減する目的で、抗うつ薬に加えてリチウムが処方されることがあります。
今回は、双極性障害における自殺関連事象にリチウムやバルプロ酸ナトリウムの投与が有効かを調べた研究をご紹介します。
Suicidal Behavior During Lithium and Valproate Treatment: A Within-Individual 8-Year Prospective Study of 50,000 Patients With Bipolar Disorder
https://ajp.psychiatryonline.org/doi/10.1176/appi.ajp.2017.16050542
リチウムやバルプロ酸投与中の自殺企図
スウェーデンの全国的な疾患登録を用いた研究で、双極性障害に罹患した51,535人が対象となりました。
リチウムやバルプロ酸で治療されていた期間と治療されていない期間における自殺企図のリスクを比較することで、薬剤の効果を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・リチウムが投与されている期間は、投与されていない期間に比較して、自殺企図のリスクが14%低下していました(リスクの目安としてハザード比0.86倍)。