◎要約:『リラクゼーション療法を行っていると、母乳の量や胎児の体重が増える可能性がある』
今回は、新生児の母親にリラクゼーションを含む心理療法を行った場合の、母乳の量などに対する影響を調べた分析(メタ・アナリシス)をご紹介します。
Relaxation Therapy and Human Milk Feeding Outcomes
A Systematic Review and Meta-Analysis
リラクゼーション療法と授乳への影響
リラクゼーション療法と母乳との関連について調べた16の研究(1,871人の参加者、平均29.6歳)が分析の対象となりました。
ここではリラクゼーション療法として、音楽療法、指導のもとに行うリラクゼーション、マインドフルネス、呼吸によるエクササイズ、筋肉のリラクゼーションを含んでおり、これらの実施と母乳の質、量、胎児の体重との関連を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・母乳の質については、リラクゼーション療法と母乳中の蛋白含有量との関連はありませんでした。
・母乳の量については、リラクゼーション療法をしている場合のほうが増えていました。
・授乳している胎児の体重については、リラクゼーション療法をしている場合のほうが増えていました。
・母親のストレスと不安について、軽度の改善を認めました。
直接の因果関係については不明ですが、リラクゼーション療法の実施に関連する条件も含めて、母乳の産生に何らかの良い影響を与える可能性が考えられました。
Comments