
うつ病に対する免疫系の関与がしばしば指摘されてきました。
今回は、リンパ球の上に存在する受容体がうつ病の重症度と関連しているのか調べた研究をご紹介します。
Chemokine receptor 4 expression on blood T lymphocytes predicts severity of major depressive disorder
Tリンパ球上のケモカイン受容体4の発現量がうつ病の重症度を予測する
うつ病で入院した33人と比較対照としての健常者21人が研究の対象となりました。
入院時と治療後6週間で採血を行い、リンパ球の上に発現している受容体Chemokine receptor 4(CCR4)と関連するリガンド(生体分子と複合体を形成して生物学的な目的を果たす物質)CLL17 /CLL22について調べました。
結果として、以下のことが分かりました。
・うつ病患者ではリンパ球の受容体(CCR4)の受容体の低下と関連するリガンドCLL17 /CLL22の上昇が認められましたしていました。
・さらにうつの重症度との関連を調べると、重症のうつ病の方が、軽度のうつ病よりもCCR4が低下していました。
要約:『免疫系を担うリンパ球の受容体が、うつ病の発症や重症度と関連しているかもしれない』
これまでにも、免疫系に関連する様々な生物学的な尺度(バイオマーカー)がうつ病の重症度と関連することが明らかにされてきましたが、今回の研究も、うつ病と免疫系との関連の一端を示すものかもしれません。
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