高齢者が漠然とした不安を訴え、いくら説明しても安心してもらえない……それは認知症の前駆症状だったり、症状の一部だったりすることが多いと思われます。
しかし、認知症発症よりも10年以上前に出現している不安でも、認知症のリスクを上昇させるのではないか?……そのような疑問に答えようとした研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。
独立した認知症リスクを示す中年期の不安
主な検索エンジンでの検索結果3510本から、分析の基準を満たす4本の論文が選ばれました。
論文を統合した結果、全体で29,819人が分析に含まれることになり、結果として不安症状と認知症発症までの期間を10年以上に限った場合でも、不安があった場合には、その後の認知症発症が明らかに増える傾向が示されました。
今までは、前駆症状として考えられているのみでしたが、認知症とは独立した不安の症状も認知症発症のリスクとなる可能性があるようです。
どのようなしくみによるのかまでは不明ですが、中年期以降に病的な不安を認めた場合には、認知能力も含めて、その後の長期的経過に注意を払う必要がありそうです。
#不安 #認知症
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